記憶にない・・・
「記憶にない」
なんて、便利な言葉なんだろう
昨日の夜は飲み過ぎて記憶がない
なんて時は、よく使います。
?というか、本当に記憶がないんです?
人は、忘れる事が出来るから生きていけるということもあると思います。
私は、今までの人生の中で記憶がない日があります。
いまから15年ぐらい前、学生時代のことです。
一人暮らししていた宮崎から、実家の鹿児島へ帰る途中、事故(自爆)にあったのですが、
不思議なことに記憶が全くないんです。
11:00am
前日、夜勤(ホテルのフロントバイト)を終えて、数時間の仮眠後、宮崎の自宅を出発し、高速道路へ向かう
普段(その当時です)は、全くシートベルトを締めていなかったのですが、
その日に限って、宮崎ICの発券機を通過するところで警察官がシートベルト違反の検問をしていた為に発券機前で慌ててシートベルトイン
そのまま高速道へGo!
・・・・
・・・・
・・・・
そこからの記憶がなくなっています。
そして、次に記憶が復活したのは、
21:00pmぐらいでしょうか
宮崎市内の病院のベッドの上
約10時間の記憶が全くないうえに、通報を受けて鹿児島から駆けつけた家族を見て
「何しに来たの?」と言ったそうです。
腕と顔を縫うケガだけで済んだのですが、数日後に自動車工場に運ばれていた自分の車を見て
血の気が引きました・・・
ペッシャンコ
うちの親父は消防署に勤めていたので、いろんな事故現場なども見ていたのですが、
車だけを見ると、間違いなく死んでいると・・・
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では、記憶がない10時間のうちに何があったのか??
自分の記憶がないので、通報して下さった方からの証言によると
雨が降り始めていたそうで、その中を130kmぐらいで走っていく車(私の車)がいたそうです。
すると、雨でスリップしたようで、いきなり横にスピンをはじめ
そのまま、きれいに3回転半
そのまま左側のガードレールに前から突っ込んでいったそうです。
幸いにも他の車を巻き込むこともなく、完全な自爆
通報して下さった方は、事故の瞬間は死んだと思ったそうです。
その当時は、携帯電話もない頃でしたが、偶然にも出たばっかりの携帯電話(車載用)を持っていた方が通報して下さり、高速隊の方や救急車が来てくれたのでしょう(覚えていないので・・・)
そこから先は全く情報なし
たぶん、普通に救急車に乗って、宮崎市内の病院へ運ばれて、治療して頂いたのだと思います。
入院することもなく、迎えに来た家族と一緒に鹿児島まで帰りました。
その車中では、同じ事を何回も言っていたそうです。
「お盆野球どうだった?」(その野球大会に参加する為、実家へ帰省中に事故したから気になっていたのでしょうか・・・)
10分ぐらい経つと、「それで、お盆野球どうだった?」
「お盆野球・・・」と数十回言っていたそうです。
それを見たうちの弟は、完全に頭に後遺症が残っているんだと思ったそうです・・・
人間って不思議な生き物だと思います。
事故にあった前後の10時間の記憶だけがポッカリと穴があいているようです。
もちろん、今でも思い出すことは出来ません。
事故にあった後も普通に車に乗ることができました。
※事故をした高速だけは、急に手に汗をかきはじめ、かなり動揺していたのを覚えていますが・・・
今ではぜんぜん問題ないです。
もし、私が事故の記憶を鮮明に覚えていたら、絶対に車に乗ることが出来なかったと思います。
そうすると、今の生活も全く変わっていたかもしれません。
鹿児島みたいに地方で車に乗れないと、仕事も出来ません
会社に入ることも出来なかったでしょう
今も自由に好きな仕事をすることも出来なかったかも知れません。
だから、人は覚えていてはいけないことは忘れるようになっているのです。
昨日のニュースを見ていて
人間は自分に都合の悪いことも記憶がなくなるのだろうか?と思いました。
U官房副長官 様
記憶がなくなるような方が事務方のトップです。
「記憶がない」便利な言葉である・・・
それはどうでもいいけど、
最後に私の事故を通報して下さった方へ
「本当にありがとうございます。」
事故の後に、高速警備隊の方へ通報して下さった方を教えて欲しいと何度もお願いしたのですが、
「お礼をされるようなことはしていません。当り前のことをしただけです。」
言っておられたようで、結局お礼に行くことが出来ませんでした。
しばらくしてから、お電話だけさせて頂いたことを覚えています。